あまり知られていない和菓子の歴史【羊羹】編|羊羹(ようかん)とは?いつからつくられ始めた?ルーツと由来をご紹介

杢目羊羹本舗 鈴木亭
杢目羊羹本舗 鈴木亭の羊羹

羊羹(ようかん)とは?名前の由来をご紹介

当サイトでは、度々和菓子の名称の由来や、その歴史をご紹介してきました。

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今回ご紹介するのは、【羊羹(ようかん)】です。さて、とっさに【羊羹】の漢字が思い浮かぶ方はかなり少ないのではないでしょうか?「ようかん」は誰もが知っている和菓子と思いますが、いざ漢字でと言われると、とっさに思い浮かぶことは勿論、書くこともかなり難しいと思います。

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ようかんの「よう」は、漢字にすると「羊」です。これは「ヒツジ」とも読みますよね。”なんで菓子の名前にヒツジ??”と思ったことはありませんか?どう見ても羊羹の形はヒツジっぽくはありませんよね。笑

そして、ようかんの「かん」は、漢字では「羹」と書きます。もはや読み方自体が難しい漢字の1つです。

ですがこの二つの漢字、「羊」と「羹」がこの和菓子の歴史とルーツをそのまま示しています。それぞれ見ていきましょう。

羊羹(ようかん)の「羊」と「羹」の意味

羊羹のそのルーツは、実は1500年以上昔の中国大陸にあります。もともと中国大陸で食されていた羊羹は、現代の菓子の羊羹とは違い、羊の肉を用いたスープでした。このことから、「ようかん」の漢字に「羊(ヒツジ)」が使われているのです。そして「羹」は「あつもの」といって、肉・野菜を入れた熱い吸い物、つまり汁物のことを指す漢字なのです。

つまり羊羹の発祥は中国大陸で、ルーツは羊の肉を煮込んだスープのような料理なのです。そしてこの料理は、熱々の汁物としてだけでなく、冷えて肉のゼラチン質が固まり、煮こごりの状態になったものも食されていたとされます。想像してみると、たしかに現代の羊羹に通ずるシルエットが想像できますよね。

羊羹は日本に伝わり、和菓子となる

上記のように、羊羹は元々は菓子ではなく、全く方向性の違ったものだったことが分かります。ではどの様にして、現在のように【菓子】となったのか。それは、日本の歴史でいう「鎌倉時代」にさかのぼります。

正確な年代はわかっていないものの、鎌倉時代から室町時代に、禅僧によって羊羹は日本に伝えられました。ところが、禅宗では肉食が戒律(五戒)により禁じられているため、日本に伝わった時点で羊羹は「精進料理」として、羊肉の代わりに小豆や小麦粉、葛粉などの植物質の材料を用いて作られることとなりました。これが日本における羊羹の原型になったとされています。中国にルーツがあるという点では、同じく親しみ深い「饅頭(まんじゅう)」と同じですね。

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そうして時代は進み、江戸時代を経て近世~現代に至るまでに、「水羊羹」や「蒸羊羹」といったように派生し、様々に発展していくこととなったのです。

「羊羹好き」なら押さえたい!老舗のおすすめ店舗を三つご紹介

いかがでしょうか。「羊羹」の名前に込められたルーツをご紹介したところで、ここからはおすすめの老舗店舗を”3つ”ご紹介いたします。羊羹好きの方はぜひ最後までチェックしてくださいね。

杢目羊羹本舗 鈴木亭|「杢目羊羹」

創業の慶応二年(1866年)から受け継がれる逸品「杢目羊羹」。「皆が目を見張るような羊羹はできないものか」と考え、試行錯誤を繰り返し、創り出したのが”杢目羊羹(もくめようかん)”だそうです。鈴木亭で150年にわたり受け継がれている製造方法は秘中の秘。

御菓子司 廣井堂|「栗蒸し羊羹」

花街として栄えていた大阪の新町に明治10年創業。大粒の栗を小豆こしあんでしっかりと覆い隠して蒸し上げた「栗蒸し羊羹」が有名。9月中旬から12月にかけての秋冬のみ販売される季節限定商品。

御菓子司 庵月堂|「栗蒸し羊羹」

慶応4年(1868年)創業、伝統の味・技術を継承し続ける老舗「庵月堂」。秋冬限定「栗蒸し羊羹」は、天下一品ともいえる究極の高級羊羹。羊羹を埋め尽くすほど新栗を贅沢に丸ごと閉じ込めた蒸し羊羹。心地よい歯ざわりと上品な甘さをお楽しみいただけます。

まだまだあります!「羊羹」のおすすめ掲載中店舗一覧はこちら▼

https://shiroan.jp/category/wagashi/yokan-monaka-shiruko/

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