和菓子はお祝い事にもお悔やみ事にも重宝するギフトですよね。この特集ではみんな大好きな和菓子をギフトシーンで相手方にも心地よく贈るためのマナーを紹介したいと思います。
知っておいて損はないことばかり。ぜひ活用してくださいね。
菓子折りとは?
お祝いの席へのお呼ばれに菓子折りを持っていく、日ごろの感謝の気持ちを添えて菓子折りを贈る。はたまた迷惑をかけてしまった謝罪をかねて菓子折り持参で訪問する。などなど「菓子折り」という言葉が使われる場面が多いですよね。そもそもこの「菓子折り」という言葉の「折り」とはどんな意味なのでしょうか?
それは昔、今のような包装技術がなかった時代に高級品であった和菓子を「折箱」という木や竹の箱で贈っていたことに由来しているそうです。
現代では風合いのある色とりどりの紙箱が使われるのが一般的ですが、高級和菓子の中には折箱をつかったものもあり、普段とは違う贈答品としての格別感がありますよね。
昔の折箱は1mmほどの薄い木の経木(きょうぎ)や竹素材が多かったですが、近代ではプラスチック製のものも増えました。
どのくらいの予算が適切?
予算は受け取る側の気持ちも配慮しましょう。あまりにも高額だと贈られた側に気を遣わせてしまうことにもなりかねません。
お礼や挨拶に添える場合
お礼や挨拶を兼ねて菓子折りを添える場合は、相手先の負担にならないよう高額でないほうがベターです。個人か家族か、それ以上の人数かお菓子の人数配分を考えながら3,000円から5,000円程度が望ましいでしょう。
謝罪に添える場合
お詫びの気持ちに添える菓子折りは、謝罪の度合いによっても変わります。一般的には5,000円から10,000円程度。重大な事柄に対する謝罪ほど予算をかけましょう。ただし注意点があります。あまりにも菓子折りが高額すぎると、謝罪の気持ちよりも「高価なもので解決しようとしている」という誤解を招きかねません。
相手の気持ちを配慮しながら、菓子折りはあくまでも気持ちに添えるものであるということを忘れないようにしましょう。
また改めて誠意を伝えるために、老舗のお店や有名店の和菓子など、風格のある和菓子を贈るとよいでしょう。
羊羹はNG?贈らないほうがいい和菓子
贈る相手との関係性にもよりますが、一般的に個包装され、わざわざ包丁で切り分けなくてもよい食べやすいもののほうがベターとされています。もちろん相手の方が切られていないものが好き!という場合は例外です。
羊羹など「切って食べるもの」は注意が必要
今は昔ほどマナーに対して厳しく考えなくても良いかもしれません。相手の方が高齢でマナーを重んじる方である場合は配慮が必要です。何事も相手の方を想った渡し方が重要ですね。
切り分けることが「縁が切れる」ことを連想させるため、結婚や出産など家族にまつわるお祝い事の時は、羊羹は避けたほうがいいでしょう。ただし個包装のものなら大丈夫。
のし紙はつけるべき?
改まった場で菓子折りを贈る際はのし紙をつけることが多かったですが近年ではのし紙をつけずに贈ることも多いようです。のし紙は水引とのしが印刷されたお祝い事に使うもの。お悔み事の時に使うものはのし紙と呼ばず、掛紙(かけがみ)と呼びます。
のし紙と短冊のしの使い分け
のし紙は大きな紙で水引などの飾りも大きめに印刷されているのに対し、短冊のしは細い帯上のものを包装紙に包まれた箱の中央や右上に貼ります。
短冊のしの方がのし紙に比べて簡易的。大きなお祝いやお礼出ない限りは短冊のしを使うのがよいでしょう。
迷った場合は和菓子店に相談すると快くアドバイスをくれますよ。
お礼や挨拶の菓子折りにつける「のし」はどっち?
先に述べたお礼の度合いによります。重大な事柄に対するお礼の時はのし紙を、日ごろの感謝を込めて気軽に贈る場合は短冊のしでよいでしょう。
お詫びや謝罪の菓子折りにつける時は?
お詫びに添える菓子折りの場合は掛紙をつけません。のしや水引は喜ばしいお祝い事を連想させるため、相手に不快感を与えてしまいます。シンプルに和菓子店の包装紙や無地の掛紙をつけるのが一般的です。
プライベートでもビジネスでも贈りやすい重宝する和菓子の贈り方をご紹介しました。お祝い事でも謝罪のシーンでも何よりも大切なのはあなたの気持ちであること。和菓子はあなたの気持ちに添えるだけであることを忘れないようにしましょうね。
親しい家族や親せき、気心知れた方に贈る場合はマナーにとらわれず、お相手の好みを一番よく知るあなたが選んだものを贈るのが一番かもしれません。