日本の文化、「菓子折り」
私たちが暮らす日本には、実に様々な文化があります。「和菓子」は、そんな日本の文化にも密接に関りがあります。
今回のテーマは【菓子折り】について。言葉やマナーはわかっている方も多いと思いますが、そもそも「言葉の意味」まで知っている方は少ないのではないでしょうか?
それでは「菓子折り」について解説していきましょう。
「菓子折り」言葉の意味
「菓子」を「折る」と書いて「菓子折り(かしおり)」と読みますが、ちょっと意味がよくわからないですよね。笑
本当に菓子を折っているわけではないのに、なぜ「折り」という文字が使われるのか。先ずはこの点についてです。
菓子折りの「折り」は、実はお菓子の入った箱のことを指します。この箱は「折り箱」といい、本来は薄く削られた「木製の箱」です。もっとも最近は、木製風の厚紙の箱などもよく使われます。これも折り箱として普及していますので、菓子折りには違いありません。さまざまな包装容器が登場している現在、菓子折りについては「折り箱」だけでなく、外箱に入った【進物用のお菓子】全般を示す言葉と受け取って問題はありません。
「菓子折り」のマナーとシチュエーション
さて、ここで菓子折りを人に渡すシーンを想像してみてください。
如何でしょうか?「お客様にご迷惑をおかけしてしまった謝罪として、菓子折りを持参で頭を下げている場面」を想像する方、きっと多いのではないでしょうか。笑
これはちょっとネガティブな印象が否めませんが、、、菓子折りを渡すシチュエーションとして一つの正解です。ですが、菓子折りは決して謝罪の為だけのものではありません。もちろん謝罪の場面でも菓子折りは定番ですが、訪問の際の手土産や差し入れ、季節のごあいさつとしての贈り物など、本来は目上の方への贈り物全般に適しているものなのです。
菓子折り選びの際のマナー
人に菓子折りを渡す際、気を付けなければいけないことがあります。当然ですが、「菓子折り」を渡す以上、しっかりと外箱があることです。
折り箱(外箱)は、歴史の中で菓子が高級品であったころから使われてきました。つまり、文化的側面からも、和菓子の「格」を高める意味があります。渡す人を立てる礼儀、マナーとして折り箱は用いられるため、外せないポイントなんです。
菓子折り「渡し方」のマナー
手土産の場合でも謝罪の場合でも、菓子折りを渡すタイミングは「最初のあいさつのあと」と覚えておきましょう。先ずは挨拶、そこから菓子折りを渡す流れです。
菓子折りは、持ち歩き用の紙袋などがかかっている状態ですが、あいさつの後に紙袋を外し、相手に正面を向けて渡します。
また、複数人同士で菓子折りを渡すシーンでは、菓子折りを「贈る側」で最も上の役目の人が、お相手側、つまり「贈られる側」の最も上の役目の方へと渡すのが基本です。
尚、特に謝罪の場で菓子折りを渡す場合ですが、まず最初から菓子折りを出してしまうと、自分たちの不手際を贈り物で誤魔化そうとするかのような不誠実な態度に受け取られる場合も有ります。相手から許していただける旨の言葉が出るまで待ってから、菓子折りを渡すようにしましょう。
それでも場合によっては、そう簡単に許していただけない、ということもあると思います。そのような時は、菓子折りをも受け取ってもらえない事が往々にしてあるでしょう。そんな場合、無理に押し付けず、持ち帰るようにしましょう。
正しく理解して「菓子折り」を選んでみよう
如何でしょうか。知っているようで知らない、「菓子折り」のルーツとマナーをご紹介しました。ちょっとネガティブなシーンのイメージもありますが、菓子折りはその他の場面でも活躍します。
勿論、最終的に一番大事なのは「贈る人の気持ち」ではありますが、ルーツを知ることで今後の菓子折りの選び方も、より深い視点で選べると思います!
ぜひ皆様のご参考になれば幸いです。