春の和菓子|色合いと香りで楽しむ「春」に味わうべき和の菓子とは

草もち
御菓子司 本家青木|草もち

和菓子で感じる「日本の四季」春編

四季がはっきりしている私たちの住む国、日本。

この日本で誕生した「和菓子」は、まさにこの四季のモチーフやその季節の食材を使って創作された和菓子が多く存在します。

関連記事|和菓子の歴史

一年のうち、限られた季節にこそ味わいたい和菓子。今回は春の訪れを感じることのできる和菓子の代表的なものをご紹介しましょう。

春の伝統的和菓子|草もち

見た目にも新たな季節の到来を感じさせる「草もち」は外せない存在でしょう。新芽の芽吹きを連想させる鮮やかな緑は、一般的に草もちに使用する「蓬(ヨモギ)」の天然色です。

草もちとは?

草もちは、まず蒸したヨモギを餅に練りこんで作ります。そして、ヨモギの色も鮮やかな練りあがった餅で餡を包み込み、皆様が良く知る草もちが出来上がります。また、ヨモギを練りこむ理由としては、古くは「草のかおりにより邪気を払うことができる」という信仰から来ています。

たしかに、ヨモギの香りと生命力あふれる新緑の彩にはそのような効果があるように感じられますね!深みのある香りと味わいは、まさに春を代表する和の菓子といえるでしょう。

春の伝統的和菓子|桜もち

“桜”という言葉がそのまま示しているように、まさに春の菓子として有名な「桜もち」。桜にちなんだこの名前を知らない方は少ないことでしょう。また、少し豆知識ですが、「桜もち」という言葉はそのまま春の季語にもなっています。

桜もちとは?

桜もちは、実は関西と関東でつくり方や見た目が異なります。

関西風の桜餅は「道明寺」とも呼ばれ、もち米を原料とした餅で餡を完全に”包み込み”、外見では中の餡が見えないようになっています。

一方、関西風の桜餅は、クレープのように薄く伸ばした生地で餡をくるりと巻いているため、真横から見ると中の餡が見えるようになっています。

このように地域によって作り方や外見に違いのある桜もちですが、いずれも桜もちと呼ばれる所以は、塩漬けにした「桜の葉で覆う」という点で共通だからです。

桜の花びらのような淡い薄紅色と桜の葉を用いて作られる桜もちは、日本の春の風物詩。こちらもまた代表的な和の菓子でしょう。

春の和菓子を楽しむポイント

春の季節を代表する和菓子を楽しむポイントは、味はもちろんですが【色・香り】にも注目していただきたく思います。

特に今回ご紹介した「草もち」「桜もち」は、いずれも天然の原料に大きく手を加えることなく作られているため、素材本来の「風味/色味/香り」をより深く感じることができます。これはその季節、「春だからこそ」の体験です。春のあたたかさを感じながら、ぜひ素敵な春を味わいましょう!

PAGE TOP