日本の伝統行事「七五三(しちごさん)」と和菓子の関係とは

日本の伝統行事「七五三」と「和菓子」の関係性

【七五三(しちごさん)】とは、古くから存在する日本の伝統行事です。晴れ着姿のお子さんと神社にお参りに行くご家庭も多いことでしょう。

ところで、【七五三】とはそもそもどういった趣旨の行事か、ご存知でしょうか。

七五三の由来には、諸説あります。その中でも有力とされる説は、【平安時代に宮中で行われていた3つの儀式が基になった】という説です。これはご存知の方も多いかもしれませんが、現代に比べ医療がまだまだ発展しておらず、かつ衛生面もよくなかったこの時代、子どもの死亡率はとても高いものでした。その為、「7歳までは神のうち(神の子)」として子供は扱われ、7歳になって初めて人として一人前と認められていました。

つまり、環境面などを考慮すれば、ある意味で現在以上に子どもが無事に育つことは何より尊いことであり、親として健やかな成長を願わずにはいられないものでした。ゆえに、3歳、5歳、7歳の節目に成長を神様に感謝し、お祝いをしたことが七五三の由来とされています。明治時代には「七五三」と呼ばれて庶民にも広まり、大正時代以降に現在のような形ができあがったとされる説が有力です。

少し前置きが長くなりましたが、そんな七五三に【千歳飴(ちとせあめ)】をもらった記憶はありませんか?この飴も、立派な和菓子のひとつですね。

千歳飴

七五三をお祝いする和菓子の定番として、真っ先にイメージされる方も多いのでは。先ずは「千歳飴(ちとせあめ」についてです。

「ちとせ」という言葉は「千年」を意味します。長生きを象徴するめでたい言葉であり、飴の作りとして特徴的な棒状の形を成型するとき「長く伸ばす」ことに、子どもの成長と長寿を願う気持ちが込められています。「長い千歳飴を食べて、千歳まで長く健康に生きられるように」という意味が表れているのです。

尚、千歳飴を入れる袋にはよく「寿」という文字や「鶴と亀」などのイラストが描かれていますが、これも縁起を担いでの事です。

紅白饅頭

伊勢名物「利休饅頭」
伊勢名物「利休饅頭」

千歳飴にイメージが強い七五三の菓子ですが、もう一つ代表的な和菓子として、「紅白饅頭」も忘れてはいけません。

千歳飴と同じように「紅白」の二色の組み合わせの色というのは、「人の一生」そのものを表しているとされております。そのため、七五三に限らず、日本でお祝い事には伝統的に使われる色の組み合わせです。例えば、「紅白結び」や「紅白幕」など、式典などの行事にもよく使われていますよね。

さらに、「紅白」だけでなく「饅頭」自体にも、実はおめでたい要素が含まれています。饅頭の皮の中に包まれている餡の原材料の小豆は、その赤い色に邪気を払う力があると信じられており、魔除けの効果もあるとされています。

[ “饅頭”に関する過去記事はこちら ]

七五三のルーツを知り、和菓子で健康長寿をお祈りしよう!

いかがでしょうか。本日は日本の伝統行事「七五三」と和菓子の関係性をご紹介しました。

ちなみに、「千歳飴」の食べ方って少し悩んでしまう方も多いのでは?(←私だけでしょうか?笑)

よく、「千歳飴を折ったり切ってしまうと”縁起が悪い”のではないか・・?」と思う方も多いそうですが、千歳飴の食べ方に、その実、特に決まりはありません。食べやすい大きさに切ったり砕いたりしても大丈夫です。硬くてなかなか切れないときは、レンジで多少温めると柔らかくなって切りやすくなります。

大切なのは、子の健康と長寿を願う「心」です。今年も七五三の季節が近づいてきました。ぜひ本記事でご紹介した内容を心にとめて頂き、七五三を迎えて頂ければと思います。

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